ビゼー アルルの女

歌劇「カルメン」で有名なビゼーのもう一つの代表作「アルルの女」は19世紀フランスを代表する作家ドーデの短編集「風車小屋だより」の中の1篇をパリのヴォードヴィル劇場の監督カルヴァロが戯曲にして音楽劇上演を発案。ドーデ自身が台本を、ビゼーに音楽を依頼。1872年9月に同劇場で初演されました。しかし内容が観客要望にあわず、すぐに打ち切られました。音楽の素晴らしさは絶賛され、ビゼー自身が演奏会組曲として編曲し第1組曲として完成。またビゼー死後友人のギローが選曲、編曲して第2組曲として現在多く演奏されています。「アルルの女」が19世紀末にオデオン座で再演されると大成功を収め、以後フランス演劇の古典的なレパートリーとなっていきました。しかし、その他の国での上演はほぼなく、日本でもその物語はほとんど知られていません。今年はビゼー没後150年にあたり、「アルルの女」を物語順に演奏し、原曲からも数曲編曲して加えた上でナレーションをつけ、カンマーフィルハーモニー京都版として劇音楽の世界を堪能していただくことといたしました。ここには登場人物のみを記載いたします。いかなる物語、音楽が展開するのか、演奏をどうぞお楽しみください。

(第2組曲の第3曲メヌエットはビゼー作曲「美しきパースの娘」からギローが選び編曲して入れた作品ですが、殊に美しく有名でもあり演奏中に組み込みました。)


〇アルル地方の地主農家の息子フレデリ  〇フレデリの母ローズ  〇フレデリの幼なじみヴィヴェット  〇馬の番人ミチフィオ  〇地主農家に仕える老羊飼いバルタザール 〇 そしてアルルの女?