R.シュトラウス4つの最後の歌

リヒャルト・シュトラウス:4つの最後の歌


リヒャルト・シュトラウスが生きぬいた19世紀半ばから20世紀半ば政治的、社会的、文化的、もちろん音楽界にとっても激動に時代でした。父フランツはミュンヘン宮廷管弦楽団の首席ホルン奏者、母は有名なビール醸造業者の娘で、1864年生を受けピアノ、作曲を幼い頃より始めました。大学で哲学、美学を学び終えるとマイニンゲン宮廷楽団の指揮者として招かれ、以後ドイツ、オーストリアの歌劇場の指揮者を歴任し、あわせて交響詩、オペラ、室内楽等多くの作品を世に送り出し、とりわけ歌曲作品は愛着を持っていました。「4つの最後の歌」はアイヒェンドルフの「夕映えのなかで」の詩に出会ったことに作曲動機を得て、これにヘッセの詩からも選び、美しい旋律と高度な技術が結晶化した音楽です。亡くなる直前の1948年に作曲されました。 第1曲「春」夜明け前のお墓(冬の世界の中)で「あなた」と呼びかけ春を焦がれます。やがて春を目の前にして奇跡のような美しさと生命に包まれ喜びにあふれます。 第2曲「9月」9月の雨の降る庭でアカシアの葉が落ちていき、夏の終わりを感じます。生命力溢れる夏への憧れとその終わりを、まどろみの中惜別感をもって表現されています。最後のホルンソロが秀逸です。 第3曲「眠りにつくとき」1日の営みに疲れ、夜の眠りのなかで疲れから解放され魂が再び自由に飛び立つことを描いています。甘美なあこがれのようなヴァイオリンソロが間奏し、歌は翼を得て自由にゆったりと羽ばたいています。 第4曲「夕映えのなかで」長い旅をしてきた二人が夕映えのなか、静かな小高い丘で眼下の田園を見渡しています。雄大な風景の中、二羽のひばりが空に昇っていきます。歌われるのは死の予感と諦念ですが、終焉にあってなお明日への希望を忘れない。そして長い人生をともにした愛する伴侶への思慕が強く感じられます。

(詩と対訳は別紙をご参照ください。)