北欧を代表する作曲家シベリウスが活躍を始めた頃、祖国フィンランドはロシアの圧政下にあり、芸術分野にも国民主義運動が盛り上ったのはごく自然な成り行きでした。この曲は元来1899年に首都ヘルシンキで上演された歴史劇付随音楽の一部として作曲されるも、これを独立した管弦楽曲として再発表して祖国への応援歌、賛歌としたのです。
苦難にあえぐように重苦しい導入部に始まり、それに立ち向かう民衆の力が徐々に強さを増し、闘いを挑みます。一旦落ち着きを取り戻すと、現在のフィンランドの第二国家とされるフィンランド賛歌が管楽器、続いて弦楽器によって美しく奏でられます。再度闘争が繰り広げられ、最後には勝利の凱歌が歌われます。