ドニゼッティ 「愛の妙薬」より 「人知れぬ涙」

ドニゼッティは,19世紀前半のイタリアを代表するオペラ作曲家。生涯に70曲ほどのオペラを作曲しました。とりわけ「ランメルモールのルチア」「連隊の娘」そしてこの「愛の妙薬」が代表作として、現在も世界のオペラ劇場で人気作品として、愛好されています。
 「愛の妙薬」は1832年初演された2幕からなる喜劇的オペラです。純朴な農夫ネモリーノは農場主の娘アディーナに恋していますが、それは片思い。そこにインチキ薬売りのドゥルカマーラが「魔法の惚れ薬」を売りにやってきます。ネモリーノはこの薬でなんとか恋を実らせようと、軍隊志願してお金を作ろうとしますが、恋の行方は、、というお話し。「人知れぬ涙」はネモリーノがアディーナの流した涙をみて歌う有名なアリアです。

{歌詞}

ひそやかな涙が、あの人の目に浮かんだ
彼女はにぎやかな娘たちを、羨んでいるようだった。

僕はこれ以上何を求めよう!
あの人は僕を愛しているのだ!

彼女の心のときめきをひと時でも感じることが出来たなら
僕のため息と彼女のため息が混ぜあうなら
彼女の心の高まりを感じることができたなら

ああ天よ、僕は愛のために死んでもいい!
これ以上もう何も求めない!求めない!