バッハ 「無伴奏チェロ組曲第1番」より 「プレリュード」

バッハはヴァイオリンとチェロのために無伴奏曲を作曲しています。これらは現在不朽の名作として世に知られていますが、いつ、どのような理由で作曲されたのかはわかっていません。ただ1720年頃(バッハ30代半ば)ということは判明しており、創作活動旺盛であった頃の作品です。
 この曲集は長い間チェロの練習曲として低く扱われてきましたが、20世紀を代表するチェリスト、カザルスによって「まれに見る独創的で素晴らしい作品」と再評価され、今に至っています。なかでも組曲第1番の第1曲「プレリュード」は背後に潜む和声の進行をチェロの深みのある音にのせて芸術的表現にまで昇らせた類まれな作品で、組曲中でも最も有名です。