ヨハン・シュトラウス2世 ワルツ「春の声」
1883年シュトラウスがハンガリーの首都ブダペストに滞在中、ある晩餐会で旧知の間柄であったリスト同席のもとワルツの即興演奏を披露したのがこの「春の声」の原曲とされます。これに脚本家ジャネーが詞をつけ、管弦楽譜を作曲、アン・デア・ウィーン劇場で3月1日、シュトラウス自身の指揮、ソプラノ歌手ビヤンキが歌って初演され、大成功をおさめました。
作曲当時58歳のシュトラウスですが、新しい恋が3回目の幸せな結婚に発展しつつあった時期でもあり、若々しく、あふれるばかりの幸福感に満ちた曲です。
歌詞
ドイツ語
Die Lerche in blaue Höh entschwebt,
der Tauwind weht so lau;
sein wonniger milder Hauch belebt
und küßt das Feld, die Au.
Der Frühling in holder Pracht erwacht,
ah alle Pein zu End mag sein,
alles Leid, entflohn ist es weit!
Schmerz wird milder, frohe Bilder,
Glaub an Glück kehrt zuruck;
Sonnenschein, ah dringt nun ein,
ah, alles lacht, ach, ach, erwacht!
Da strömt auch der Liederquell,
der zu lang schon schien zu schweigen;
klingen hört dort wieder rein und hell
süße Stimmen aus den Zweigen!
Ah leis' läßt die Nachtigall
schon die ersten Töne horen,
um die Kön'gin nicht zu stören,
schweigt, ihr Sänger all!
Voller schon klingt bald ihr süßer Ton.
Ach ja bald, ah, ah ja bald!
Ah, ah, ah, ah!
O Sang der Nachtigall, holder Klang, ah ja!
Liebe durchglüht, ah, ah, ah,
tönet das Lied, ah und der Laut,
süß und traut, scheint auch Klagen zu tragen,
ah ah wiegt das Herz in süße Traumerein,
ah, ah, ah, ah, leise ein!
Sehnsucht und Lust
ah ah ah wohnt in der Brust,
ah, wenn ihr Sang lockt so bang,
funkelnd ferne wie Sterne,
ah ah zauberschimmernd wie des Mondes Strahl,
ah ah ah ah wallt durchs Tal!
Kaum will entschwinden die Nacht,
Lerchensang frisch erwacht,
ah, Licht kommt sie kunden,
Schatten entschwinden! ah!
Ah des Frühlings Stimmen klingen traut,
ah ja, ah ja ah o süßer Laut,
ah ah ah ah ach ja!
日本語
ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風も,こんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう、
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!
痛みはやわらいで、陽気な姿で、
幸せを信じる気持ちがかえってくる。
太陽の光が差し込んできて、
ああ、みんなほほえみ、ああ、目覚めるの!
太陽の光が差し込んできて、
ああ、みんなほほえみ、ああ、目覚めるの!
ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風もこんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!
またあふれ出すの 歌の泉が、
今までずっと黙っていたのだけれど。
響きが聞こえてくる あそこからまた清らかで明るく
甘い声が枝の間から!
ああ
ナイチンゲールがそっと
もう初めての歌を聴かせてくれるのね
この女王様をじゃましないように
黙っていてね 他の歌い手さんたちはみんな!
ああ
すぐに最高に響くでしょう 彼女の甘い歌は
ああ すぐに ああ すぐに!
ああ ああ ああ ああ!
おおナイチンゲールの歌 甘い調べ ああ そうよ!
愛に燃え立ち ああ ああ ああ
歌は鳴り響く ああ そしてその響きは
甘く心地よく でも悲しげにも聴こえる
ああ ああ 心を揺り動かすの 甘い夢の中で
ああ ああ ああ ああ とても優しく!
あこがれと願いは
ああ ああ ああ この胸に抱かれて
ああ この歌がせつなく呼びかけるときには
星たちのように遠くから瞬きながら
ああ ああ 月の光のような魔法のきらめきで
ああ ああ ああ 谷間を渡っていく!
夜が消えるとすぐに、
ヒバリの歌声がさわやかに目覚める、
ああ
光はヒバリに告げるの、
暗闇は消え去ると!
ああ!
ヒバリは青空高く舞い上がり、
凍てついていた風もこんなに暖かくなった。
その喜びあふれる優しい吐息は活気づいて
そしてくちづけるの 野に、牧場に。
春は 美しい装いで目覚め、
ああ、ああ、ああ
すべてつらいことは終わるでしょう
あらゆる悩みも 遠くへ去ってゆくわ!
ああ 春の声はなつかしく響く、
ああ そうよ ああ そうよ おお すてきな響き
ああ ああ ああ ああ ああ そうよ!